今月の主題 今日の心不全診療
薬物治療—適応,使い方,副作用
ジギタリス
田村 勤
1
1帝京大学医学部第2内科
pp.616-617
発行日 1988年4月10日
Published Date 1988/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402221618
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ジギタリスはこれまで心不全の第1選択の薬剤であったが,近年,利尿剤や血管拡張剤の導入により,ジギタリスのこれまでの地位がゆらぎつつある.とくに急性うっ血性心不全では,利尿剤や血管拡張剤のような速効性のあるものがファーストチョイスとして使用されることが多くなってきた.加えて,ジギタリスは治療域が狭く,使用中は中毒の可能性を常に考慮する必要があることもその欠点の1つである.しかし,ジギタリスは経口で用いることができるほとんど唯一の強心剤であり,現在でもうっ血性心不全の治療には欠かすことのできない薬剤であることに異論はない.
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