特集 循環機能の正常値
腸管循環動態
三島 好雄
1
,
重松 宏
2
1東京医科歯科大学第2外科
2東京大学第1外科
pp.735-736
発行日 1982年7月15日
Published Date 1982/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404204045
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腸管の血行は,上および下腸間膜動脈により支配されるが,膜腔動脈領域とも豊富な側副路を介して交通しており,その循環動態はこれら3本の動脈により支配され門脈に帰する腹部内臓循環の中で位置づけられる。腸管血流量は,心拍出量の1/5以上を占めるとされる腹部内臓循環血液量の1/2以上を占めており,全身循環動態の中で重要なreservoirとなる一方,腸循環の変動は末梢循環に大きな変化を与える。また近年消化吸収をはじめとした種々の病態生理を明らかにする上で,腸管への全血流量のみではなく,腸管壁の局所血流量,とくに粘膜,粘膜下層,固有筋層,漿膜から成る腸管壁の各層への血流分布の測定が重要となってきている。
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