増刊号 心電図が臨床につながる本。
Ⅱ章 波形からみた心電図[1] 心臓の器質的疾患Plus
P波の異常
松本 直也
1
,
横山 勝章
1
1日本大学病院循環器内科
pp.1162-1164
発行日 2016年10月30日
Published Date 2016/10/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542200976
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Overview
P波は心房の収縮を表す.洞結節に発生した電気刺激は右心房→左心房の順に伝わる.P波の輪郭はスムーズであり,V1を除く全ての誘導で陽性または陰性(aVR誘導で陰性となる)である.
V1誘導においてP波はほとんど二相性であり,前半に陽性成分,後半に陰性成分を伴う.V1誘導はまた,右心房と左心房の電気的活動を区別するのによい誘導である.P波を3等分し,前1/3は右心房,後1/3は左心房,中間部1/3が両心房の電気的活動を表している.陰性成分は陽性成分の波高を越えない(図1).
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