呼と循ゼミナール
冠動脈狭窄の非手術的開大法
兼本 成斌
1
1J.W.Goethe大学医学部
pp.1306
発行日 1979年12月15日
Published Date 1979/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404203477
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近年,冠動脈疾患に対する外科的手術の進歩は目を見張るものがある。しかし一方,術後の心筋梗塞,再建したグラフトの閉塞あるいは術後肝炎などの合併症も少なくない。もし,狭窄した冠動脈を非手術的に合併症なく再開通できれば患者への侵襲も少なく,手術という言葉に怯えて辞退するものもなくなり,恩恵を蒙むる患者の数はさらに増加するに違いない。
Grüntzig1〜3)は非手術的,すなわち,経カテーテル式に限局性に狭窄した冠動脈を物理的に圧迫することによって再び開大させようと試み,非侵襲的という理想を現実に一歩近づけることに成功した。この治療法を試みている施設はまだほとんどなく日本には紹介されていないと思われるので簡単にのべてみたい。
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