呼と循ゼミナール
睡眠と心室性早期収縮—(II)いわゆる健常例を対象として
田辺 晃久
1
,
兼本 成斌
1
1東海大学第1内科
pp.628
発行日 1979年6月15日
Published Date 1979/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404203381
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前回は器質的心疾患を対象として睡眠後の心室性早期収縮(VPC)の変動を述べた。本稿では外来受診時心電図でVPCを認めるのみで循環機能検査では異常なく,心肺に器質的疾患を有しない,いわゆる循環健常例におけるVPCの日内変動について述べる。
前回述べたようにVPCの覚醒時一睡眠時変動(A-S変動)は睡眠後減少型,不変型,増加型,不規則型に大別される1)。健常例では増加型41%,減少型30%,不変型24%と器質的心疾患に比べ増加型の多いことが特徴的であった。また健常例では年齢層が比較的広範にわたったため,便宜上40歳以上の群(中高年者群)と40歳未満の群(若年者群)に分けて検討した。その結果,増加型では若年者群が80%と多数を占め,逆に減少型では中高年者群が73%と多数を占めた。一方,不変型は若年者群と中・高年者群がほぼ同数であった。
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