Japanese
English
解説
腫脹肢と弾性靴下
Swollen limb and elastic stocking
三島 好雄
1
Yoshio Mishima
1
1東京大学医学部第1外科
11st Dept. of Surgery, Univ. of Tokyo
pp.263-267
発行日 1979年3月15日
Published Date 1979/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404203332
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
長時間立ちづくめでいた後では,必ずといってよい位下肢に浮腫性の変化がおこる。また,美容師,理容師,デパートの店員などほとんど1日中立ってすごす職業の人は,なおさらこのむくみに悩まされることが多く,最初のうちは誰でも夕方になると下肢,ことに下腿の浮腫と疲労を訴える。しかし,大抵の人はなれてくるにしたがって疲労の感じ方も少なくなるとともに,下腿の浮腫も気にならなくなってしまうようである。それでも中には一度下肢に浮腫が生ずるといつまでも治らない人や,今までむくむことがなかったのに,途中からむくみが目立つようになる人もいる。もちろん,これは前記の職業以外の立ち作業の人にも多く,まれには立っている時間がそれ程長くない人にもこんな症状の現われることがある。
四肢の軟部組織のびまん性腫脹—いわゆるむくみ—は種々の原因によっておこるが,そのうち心疾患や腎疾患などの全身的疾患に起因するものを除いて,血管やリンパ管の流れの障害によっておこるものを総称して腫脹肢(swollen limb)とよんでいる。このような状態に対して従来はよい対策がなかったが,近年弾力性のある包帯や靴下が開発され,これを使用して治療に効果をあげている。
Copyright © 1979, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.