報告
靴・靴下着用時における趾根部の快適環境要因について
成瀬 正春
1
,
青山 光子
1
Masaharu NARUSE
1
,
Mitsuko AOYAMA
1
1名古屋市立大学医学部衛生学教室
pp.213-216
発行日 1991年3月15日
Published Date 1991/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401900310
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趾根部の快適環境要因を明らかにするため,相対湿度を52±15%,気流を0.24±0.19m/sとし,気温を5〜35℃まで変えて,2種の靴(皮靴とビニール靴)と3種の靴下(綿 100%,毛 100%とナイロン100%)を組合せて着用した時の趾根部の環境を測定した.
気温に対し,趾根部皮膚温はロジスティック回帰曲線を示し,趾根部相対湿度は一次回帰直線を示し,趾根部絶対温度および同部二次酸化炭素濃度は指数回帰曲線を示した.
気温,趾根部皮膚温,同部相対湿度および同部絶対湿度は,趾根部の快適環境要因と思われた.
趾根部の二酸化炭素濃度と快適度との関係は明らかではなかった.しかし,二酸化炭素濃度を測定する事により,趾根部の皮膚温,絶対湿度,相対湿度の上昇は,趾根部の毛細血管拡張に起因するとの示唆が与えられた.また,趾根部の二酸化炭素濃度測定は趾根部の換気状況把握の一指標として有用で有る事が示唆された.
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