呼と循ゼミナール
電気生理検査の落し穴—刺激電極の位置の問題
高木 誠
1
1京都市立病院循環器内科
pp.197
発行日 1979年2月15日
Published Date 1979/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404203325
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WPW症候群の副伝導路の不応期を測定したり,発作性頻拍症で頻拍発作を誘発したり echo zoneを測定したりすることが日常よく行われている。この目的に通常よく用いられる方法は心房を一定のレートで刺激し(そのときの刺激をA1,刺激間隔をA1—A1とする),その途中で計画的に早期発生する刺激A2を加え, A1—A2間隔を適宜変更してその効果を判定するものである。
例えばWPW症候群で心房刺激を行い, A1—A2間隔をせばめていくとき,副伝導路が不応期に達すると副伝導路は最早や興奮を伝導することができなくなる。そのときもし正常伝導系が未だ不応期の外にあれば,心房からの刺激は正常伝導系のみを下降することとなりいわゆるQRSの正常化を生ずる。通常この現象を生じる最長のA1—A2間隔をもって副伝導路の有効不応期とされる。しかしながらよく考えてみると,このような検索において刺激A2が加えられる部位と,副伝導路の位置的関係が測定される不応期の値に重大な関係を持つことがわかる。
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