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特集 心房中隔欠損症(ASD)
心房中隔欠損症における不整脈の問題点
Arrhythmias in atrial septal defect
布施 勝生
1
,
三枝 正裕
1
Katsuo Fuse
1
,
Masahiro Saigusa
1
1東京大学胸部外科
1Dept. of Thoracic Surgery, Univ. of Tokyo
pp.337-344
発行日 1978年4月15日
Published Date 1978/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404203182
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心房中隔欠損症(ASD)は多くの先ノミ性心疾患のなかでも発生頻度が高く,また軽症の疾患であり,その手術術式もほぼ確立されて外科治療上からは一応解決された疾患と考えられている。しかしながら,本症の術後に高率に不整脈の発生が認められ,しかもその一部は術後長期間残って患者に苦痛を残していることが明らかとなり,もともと術前の愁訴の少ない疾患であるだけに,この不整脈の問題を解決することは外科治療面において重要な問題と思われる。この不整脈の成因に関しては以前から多数の報告が行われているが,近年はその特有な不整脈像から,特に刺激伝導系傷害との関連について注目されその予防法も考案されてきている。本論文では教室の症例を中心に,まずASD特有の調律異常とその術後変化について述べ,ついで術後発生した不整脈の問題点について述べてみたい。
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