Japanese
English
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
心室細動(VFi),心室粗動(VF1)および心室性頻拍症(VT)などは,Adams-Stokes発作を誘発する頻脈型不整脈として知られている1)。しかし,この種の心室性頻脈は,通常突発性で持続時間が短かく,しかも緊急治療を必要とするため,頻拍発作の開始直前,発作中および終了直後における心調律を連続記録することは非常に困難である。
最近著者らは,入院中に突然VFiをきたした78歳の女性に対して,藤岡ら2)が新たに作製した24時間連続記録心電図装置(以下TF−24と略す)を用いて,VFi発生以後の心調律を追跡する機会を得た。その結果,上記の心室性頻脈が13回出現し,しかもその持続時間の長短と終了時心調律との間には相関性があると思われる成績が得られた。また,非発作時の標準誘導では,第1度房室ブロックおよび著明な左軸偏位を伴う左脚ブロックpatternの心室内伝導障害を認めたが,いずれも発作後数日で消褪した。以上のことより,本例に突発した反復性心室頻脈発作の成因,経時的変動およびそれによってもたらされた病態について若干の検討を行ったので報告する。
A 78-year-old female with valvular aortic stenosis, who was treated with 75-150 mg/day of Thioridazine and 30-60 mg/day of Madazepam for schizophrenia since Feb., 1976, developed syncope on Sep., 29, 1976. Electrocardiogram on the occasion revealed occurrence of ventricular fibrillation which was successfully converted to first degree A-V heart block with intraventricular conduction disturbance of left bundle branch block pattern.
Copyright © 1977, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.