増刊号 心電図が臨床につながる本。
Ⅱ章 波形からみた心電図[1] 心臓の器質的疾患Plus
ST低下と陰性T波
川上 将司
1
,
安田 聡
1
1国立研究開発法人国立循環器病研究センター病院心臓血管内科部門
pp.1205-1211
発行日 2016年10月30日
Published Date 2016/10/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542200983
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Overview
・ST低下と陰性T波(図1)は,心筋虚血,たこつぼ型心筋症,左室肥大,薬剤,電解質異常のほか,さまざまな誘因で起こりうる.
・虚血性心疾患において,ST低下所見のみでは冠動脈責任病変の同定は困難である.
・巨大陰性T波では,冠動脈疾患の可能性を常に念頭に置いておくとともに,たこつぼ型心筋症との鑑別が必要となる.
・心電図所見のみならず,心電図が施行された背景・臨床状況も加味して判断することが重要である.
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