綜説
Diffusion and Convection in the Airways
太田 保世
1
,
Leon E. Farhi
2
Yasuyo Ohta
1
1東海大学医学部生理学
2ニューヨーク州立バッファロー大学医学部生理学
1Department of Physiology, School of Medicine, Tokai University
2Department of Physiology, School of Medicine and Dentistry, State University of New York at Buffalo
pp.188-196
発行日 1977年3月15日
Published Date 1977/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404203017
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
肺内のガス運搬の基本的メカニズムは,圧力勾配によってもたらされる気塊の移動,すなわちconvection,convective mass movement,ないしbulk flowといわれるものと,ガス分子自体の熱力学的エネルギーによる分子の移動,すなわち拡散,molecular diffusionとであることには見解の一致がある。ところが,それぞれの役割りの大きさ,拡散の速さ(mixingの速さ)などの点になると,依然としてhotな議論が続いているわけである。加えて,cardiogenic oscillationによるchurning actionのガス混合に対する効果が見直されており,さらには吸気の移動方向への拡散,すなわちaxial diffusionと,気道壁へ向う拡散,すなわちradial diffusion,およびそれらとconvectionの結合と考えられるTaylor拡散様の効果などの論文が続々と出されている現状である。
Copyright © 1977, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.