特集 公害・環境問題の変貌と新展開
低周波音の健康影響の評価に関する課題と今後の展望
岡田 健
1
1株式会社エス・アイ・テクノロジー
pp.558-562
発行日 2014年8月15日
Published Date 2014/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401103076
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はじめに
超・低周波音問題は,1970年代に社会問題となったが,2000年前後から再び社会問題となっている.「原因設備」は,工場・事業所の産業機械設備が主体であったが,最近は,住宅地に近接する大店舗などの中規模冷凍機や空調機設備,個人住宅向け家電給湯設備(エコキュートなど),さらに,2000年以降急激に開発が進んでいる風力発電事業所の風車音である.「原因媒体」は「超低周波音,ならびに低周波音」(以降,超・低周波音と記す)である.「結果」は,原因設備の周辺に住む人々に表1に示す生理的症状が発症することである.
以下に1973年以来,超・低周波音に関する実問題に取り組み,工学的調査・対策により解決してきた事例1)に基づいて,超・低周波音の特徴や健康被害の発症状況,評価法,ならびに本疾患に対する対応などについて記す2).
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