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虚血性心疾患はWHOにより表11)の如く分類されており,狭心症については労作性狭心症と中間型に含まれる安静時狭心症が区分され安静時狭心症の特殊型として夜間狭心症・異型狭心症も含まれている。その発生頻度は我国でも漸増の傾向にあるが身体・環境因子の相違によるものか未だ欧米に比して著るしく少ないとされている2,3)。特に若年者の狭心症に付しては木村ら4,5)をはじめとして40歳以下の年齢では稀とする者が多いが,これは臨床的に若年者で左前胸部痛を訴える例の大半はNCA (Neurocirculatory asthenia)と診断されることが多く病理学的にも冠状動脈の内腔狭窄をもたらす動脈硬化性変化が未だ40歳以下では少ないためであろう2,6,7)。
今回我々は,若年者ながら安静睡眠中に狭心痛を生じた(夜問狭心症)いわゆる若年者狭心症で脳卒中のため死亡せる症例を経験したのでここに報告し,病理組織学的には年齢に比して高度な冠状動脈硬化症の所見および狭心症としての心筋虚血初期所見について検討し文献的考察をも併せ行なった。
Juvenile angina pectoris is still very rare disease in Japan, though ischemic heart disease have been increasing after the War. One of the reason would be that the grade of atherosclerosis is extremely lighter than that in American and European. We experienced an autopsy case, who had suffered from anginal pain at night for 2 months and suddenly died of apoplexic attack.
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