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大動脈炎症候群(脈なし病)は1908年本邦の高安1)により"奇異なる網膜中心血管の変化の1例"として世界最初に報告されて以来,本疾患の病型,臨床像の多様性により現在,種々の名称で呼ばれている。すなわち本邦では大動脈炎症候群3)は脈なし病2),高安氏病1),異型大動脈縮窄症4)……等であり,この他病理組織学的病名などを加えると現在,世界で20数種類の同義語が使用されていることになる。しかしながら脈なし病においては,臨床的にみた場合,大動脈炎によるその分枝,特に大動脈弓分岐の狭窄ないしは閉塞による症状が前景に出ていること,さらに弓分岐閉塞の数も重症例では血管造影上,3枝ないしは4枝におよび,副血行路の発達,その他の合併症の如何によっては重篤な脳虚血症状,失明,ならびに上肢の運動障害をきたし,日常生活が極度に制限されるといわれる。これらの病期に内頸動脈系に閉塞が進展すれば現在欧米で盛んに行われている頸部血行再建法も手術時の合併症のため禁忌とされており保存的治療に終止せざるをえない。
Aorto-carotid bypass with use of saphenous vein was applied to the 26 years old aortitis patient who had been suffering from cerebral ischemia for more than three years. Arch vessel studies showed that three of them were completely obstructed and left vertebral artery was only intact vessel. Collateral vessels were scanty at that time. Post operative course was uneventfull.
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