話題
CO2とHypoxiaの相乗作用について(Hypoxia-hypercapnia interaction)—arterial chemoroceptorとKrogh centenary symposiumの話題から
本田 良行
1
1千葉大学医学部生理学教室
pp.146-147
発行日 1975年2月15日
Published Date 1975/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404202724
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去る49年10月9日より16日にかけて国際生理科学連合会議の表記2つのシンポジウムがインドのスリナガール市で開かれた。このシンポジウムで2つのトピックスについて,予定のプログラムの外に,夕刻から11時頃にかけて,連続3日間Extrasessionがもたれ熱心な討議が行われた。2つのトピックスとは,表題の"CO2とHypoxiaの相乗作用"と"H+dilemma"とである。後者については別に述べることとし,ここでは前者の討論について紹介したい。
現在までのこの問題の経過を簡単にふれると,1961年NielsenとSmithがヒトで低酸素刺激が存在するときは,CO2に対する換気の応答が増強することを発見した。これは,低酸素刺激とCO2刺激が共存するときは,おのおのが単独に存在するときよりも強い換気亢進が招来されることを意味する。実際の生体では種々の呼吸障害でこの両者が同時に起ることが多いわけであるから,生体にとって好都合な反応であると言えよう。
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