呼と循ゼミナール
閉塞性肺疾患の酸素吸入療法
長野 準
1
1国立療養所南福岡病院
pp.582
発行日 1975年7月15日
Published Date 1975/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404202783
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ACCPの肺気腫専門委員会1)は,慢性閉塞性肺疾患における持続的酸素療法に関する勧告で,酸素が慢性閉塞性肺疾患患者にとって重要な薬剤であると結論している。適切な持続酸素療法は,本疾患患者の運動耐忍性,精神神経機能,日常生活の活動能力などに著しい効果を挙げ,本疾患治療の主役をなすものといえる。
酸素は1744年Joseph Priestlyが発見しているが,それが臨床上広く応用されるようになったのは,1907年鼻カテーテルが使用されはじめてからである。1950年代からの肺生理学の進歩に伴って,それはさらに広く普及して来た。Oxygen induced hypoventilation (CO2 narcosisなど)をはじめ,retrolental fibroplasiaなどのoxygen toxicityの病態が明らかにされて,Campbellのhigh fiow rate with controlled oxygen administration (Venturi mask)なども考案されてきた。
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