Japanese
English
装置と方法
最近のOxygenator
Recent Advances of the Blood Oxygenators
大島 宣雄
1
Norio Ohshima
1
1東京女子医科大学日本心臓血圧研究所理論外科
1Department of Surgical Science, Heart Institute of Japan, Tokyo Women's Medical College
pp.1117-1121
発行日 1973年12月15日
Published Date 1973/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404202564
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人工心肺装置開発の20年の歴史をふりかえると,その主要部である人工肺(oxygenator)を中心としてまことに多彩な発展のあとがあり1)2),最近では装置としての人工肺は直視下開心術への応用という面からは心臓外科の臨床の要求は一応満たしうるものとなっている。ただ,他の人工臓器と比べると,人工肺はその操作条件が刻々と変動するので,術中の循環動態に対応してたえず適正でかつ安定した性能を維持する必要があり,より高度な性能が求められることはいうまでもない。かくして最近の人工肺に対する要求としては,第一にはより簡便で安全な装置と,第二にはより長期の複雑な心臓手術,あるいは開心術以外への応用という二つの方向への指向が顕著であるように思われる。このような前者の傾向からは気泡型人工肺などの改良が,後者からは膜型肺などの新しい人工肺の研究が焦点となってくる。本稿はこのような点から,最近のoxygenatorに関する研究を,ここ5年を一応の目途として,気泡型および膜型人工肺の装置的な研究を概括することを目的としたものである。人工肺の全般的な解説や総説については成書2)や文献3)〜6)を参照いただきたい。
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