（5）冠循環談話会

　冠循環談話会は冠循環ないし心筋代謝に関する領域における新しい研究，知見を取上げて基礎医学，臨床医学両方面の諸先生が一堂に会して自由に討論することを目的として発足したものである。この意図する所は基礎医学と臨床医学ではその発表の場が必らずしも同一であるとは限らず，また限られた時間での学会発表の場では同一領域の研究者間においてさえ，方法の詳細，成果，その有する意義などについての理解が必ずしも充分とはいえないという現状から，学会形式を全くはなれて基礎臨床両方面の先生方が自由討論的にそれぞれの研究成果を話し合い相互に教示，批判しあう場をつくるということである。その他外国から冠循環ないし心筋代謝の方面に造詣の深い研究者が来日した場合はその研究者を囲んで臨時に開催することにもなっている。

　この談話会の基礎となったものは1964年4月西ドイツDosseldorf大学の生理学教授Lochner氏，10月Freiburg大学内科のKeal博士を囲んでこの方面の研究者の小グループの集りがもたれ，好評を博したことによる。