Japanese
English
ジュニアコース
肺シンチグラム
Lung Function Test by Radioisotope
菱田 豊彦
1
Toyohiko Hishida
1
1昭和大学医学部放射線医学教室
1Dept. of Radiology, Showa Univ., School of Med.
pp.839-851
発行日 1973年9月15日
Published Date 1973/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404202531
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肺の機能状態をradioisotope(以下RIと略す)を用いて,図または写真として表現するのが肺シンチグラムである。よく知られているように,肺は酸素と二酸化炭素の変換の場である。機能的には,まず呼吸運動に応じて肺胞に空気が出入し(換気),ついで肺胞面でO2⇄CO2の交換が行なわれ(拡散),肺動脈からきた血液は,酸素を充分に受け二酸化炭素を放出して,肺動脈によってはこばれる(血流)わけである。このように換気,拡散,血流の三つの機能的な相に対し,それぞれの場において異った障害がおこりうることになる。
RIを用いて肺の機能を検査する方法は,1950年頃から不活性気体である133Xeの同位体を用いて行なわれた1)。酸素の同位体を用いれば,換気,拡散及び血流の各相が測定できるはずであり,大変よいが2),半減期の関係からシンチグラムに対しては一般化されていない。その後シンチスキャナーの登場により,肺の毛細管にRI粒子を閉塞させる方法としていろいろ検討された後,131I-MAAの肺血流シンチグラムが確立した3)4)5)。肺の換気については,肺内の動きが早いので,シチンカメラの開発までまたねばならなかった6)。133Xeまたは85Krを呼吸させる方法によりシンチホトをとる(換気シンチグラム)7)8)。その他RIの微粒子を吸入して気管支の壁に付着したRI量により,吸入の状態をみる方法を吸入シンチグラムといっている。
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