Japanese
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講座
細菌性ショックと肺障害
Septic Shock and the Pulmonary Lesion
玉熊 正悦
1
,
鈴木 宏彰
1
Shoetsu Tamakuma
1
,
Hiroaki Suzuki
1
1東京大学医学部第1外科
11st Dept. of Surgery, Faculty of Med., Univ. of Tokyo
pp.709-718
発行日 1973年8月15日
Published Date 1973/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404202521
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原因の別なくショックの際に生体にもたらされる障害は,(1)心拍出量低下→末梢循環障害によって組織に出現する非特異的な阻血性障害と,(2)ショックの直接原因となった毒性因子が心,腎,肺など個々の臓器におよぼす特異的な障害,更に(3)集中治療によって循環動態が回復後に顕化する晩期の障害,とにおよそ大別されよう。いわゆる細菌性ショックの際に組菌や毒素が生体にもたらす影響もまた同様であって,ショック急性期の早期離脱に失敗したための末梢臓器の阻血性病変から,細胞の代謝機構や膜構造に対する細菌毒素の直接有害作用,集中治療によるショック回復後におこる一連の症状などが,これまでいろいろな角度からとりあげられてきた。本稿ではこのうち,とくに組菌性ショックの際にみられる肺障害に焦点をしぼり,筆者らの実験成績をこれまでの諸家の研究と,比較検討しながら解説したいと思う。
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