特集 泌尿器科診療ベストNAVI
Ⅱ 疾患・病態の診療
4 尿路・性器の感染症
非特異的感染症
062 細菌性ショック
栗村 雄一郎
1
1王子総合病院泌尿器科
pp.183-184
発行日 2013年4月5日
Published Date 2013/4/5
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413103131
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1 概念・病因
全身性炎症反応症候群(systemic inflammatory response syndrome:SIRS)は,外傷や感染症など各種の侵襲によって引き起こされた全身性の急性炎症反応を指す1)。敗血症は,感染症によって引き起こされたSIRSと定義され,尿路感染症より発症した敗血症を尿路敗血症(urosepsis)と呼ぶ。敗血症の中でも,十分な輸液負荷を行っても血圧が維持できない状態や,または血圧を維持するために昇圧剤や強心剤が必要な場合は敗血症性ショックと定義され,細菌感染による場合は細菌性ショックと呼ばれている(図1,表1)。
尿路感染症においても,重症化し敗血症へ移行する症例が存在し,さらに重篤化した場合はショックとなる。本稿では,尿路感染症による細菌性ショックとしての診断や治療,また日常診療にて遭遇する尿路敗血症の代表として,閉塞を伴う急性腎盂腎炎について解説する。
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