綜説
静脈帰来—Venous Return
堀 原一
1
Motokazu Hori
1
1東京女子医科大学日本心臓血圧研究所理論外科
1Department of Surgical Science, Heart Institute, Japan, Tokyo Women's Medical College
pp.644-656
発行日 1972年8月15日
Published Date 1972/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404202400
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
静脈帰来(あるいは静脈還流) venous returnを論じるに当たって,静脈および静脈系を中心とする循環の低圧系の解剖学的・力学的特性を理解することが,まず最初に必要なことである。ついで静脈帰来のメカニズムとその調節について論を進めるつもりである。
静脈帰来は心臓に視点の中心をおき,静脈系からそれへの血液還流であるから,当然,右心への体静脈帰来systemic venous returnと左心への肺静脈帰来pulmo—nary venous returnとに分けられる。総論的には,両者はおしなべて等しくこれを論ずることができるが,各種病態で両者が異なる態度をとることがあるのは重要である。
Copyright © 1972, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.