Japanese
English
Bedside Teaching
ショック肺
Shock Lung
恩地 裕
1
Yutaka Onji
1
1大阪大学医学部麻酔科学教室
1Department of Anesthesiology, Osaka University Hospital
pp.773-778
発行日 1971年9月15日
Published Date 1971/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404202306
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はじめに
酸素電極が臨床に容易に用いられるようになって,外傷や手術時に重篤な状態になったとき,PaO2, PaCO2,pH, BEをルーチンの検査として,救急の場合でも実施するようになった。その結果,重篤な外傷患者,出血性ショックの患者,人工心肺使用後の患者において,hypoxemia with moderate hypocarbiaの状態が多いことが誰の目にも明らかになった。われわれの大阪大学医学部附属病院特殊救急部においても,昭和42年に開設して重度外傷のみを取り扱っているが,開設後間もなく上記のような事実をはっきりと認めた。また,この状態が,入院後数日を経て循環動態の面からみて,すでにショック状態を脱してしまっている患者においても存続し,結局,患者の中ではこれが死亡の主因をなすものがあることが判明した。その当時,米国ではHardwayら1)も同じ状態に着目して,これらをshock lungとよび,英国ではAshbaughら2)はadult acute respiratory distress syndromeとよんだ。しかし,この状態は相当古くから認められており,Brewerら3)のposttraumatic wet lungというのも一部では同じ状態のものを含んでいたものと思われる。
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