Japanese
English
特集 呼吸機能の不均等分布
動脈血CO2分圧の上昇とVA/Q不均等性
Hypercapnea and VA/Q Unevenness
滝島 任
1
,
高橋 敬治
1
,
佐々木 英忠
1
,
佐々木 孝夫
1
Tamotsu Takishima
1
,
Keiji Takahashi
1
,
Hidetada Sasaki
1
,
Takao Sasaki
1
1東北大学医学部第1内科学教室
11st Department of Internal Medicine, Tohoku Univesity, School of Medicine
pp.681-685
発行日 1971年8月15日
Published Date 1971/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404202297
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はじめに
日常,慢性閉塞性肺疾患患者をとりあつかっていて疑問に思うことを列記すると次の三点である。
a.慢性閉塞性肺疾患患者のなかに,動脈血CO2分圧が正常かむしろ低下する一群のものと,逆に上昇する一群のものとがあるが何故であろうか。たとえば,Burro—wsら1)のA型,あるいはFilley2)らのpink puffersと呼ばれる閉塞性肺疾患群は,定型的肺気腫に相当し,胸部レ線所見上気腫性変化が著明で,肺拡散能力の著明な低下をみるもの多いにも拘らず,動脈血CO2分圧はしばしば低下を示す。これに対して,同じくBurrowsらのB型,Fillleyらのblue bloatersと呼ばれる一群のものは,胸部レ線所見上気腫性変化よりむしろ炎症ないし線維化陰影を伴うこと多く,肺拡散能力もあまり低下しないにも拘らず,動脈血CO2分圧は上昇を示すこと多く,また肺血流量の増加,肺性心に移行しやすい特徴を有している。
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