話題
ベッドサイドで行なえる心臓カテーテル法—flow-directed balloon tipped catheter(Swan-Ganz)について
藤村 重文
1,4
,
友田 春夫
2,4
,
吉田 慎二
3,4
1東北大学抗酸菌病研究所外科
2慶応義塾大学医学部笹本内科
3名古屋大学医学部第一内科
4Department of Cardiology and Thoracic & Cardiovascular Surgery, Cedars-Sinai Medical Center
pp.524-525
発行日 1971年6月15日
Published Date 1971/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404202277
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近年心臓カテーテル法の進歩に伴い,単に内圧測定のみならず,cineangiographyや心筋収縮速度の測定等1)が行なわれるようになり,この方法によって得られる情報はきわめて詳細かつ広汎になりつつあるが,心臓カテーテル法を施行するにはかなりの装置と術者の熟練を要し,また患者にとっては相当な負担となる。従ってある程度以上重篤状態にある患者の血行動態をベッドサイドで正確に測定し,これに対して適切な治療を施すことは実際上不可能である。例えば今日注目されている心筋梗塞時のいわゆるpump failureやcardiogenic shockと呼ばれる状態の診断や治療面の進歩が十分あげられていないのも,このような点に一因があるとされている2)。
われわれは,最近脚註病院においてこのような目的のために1970年に開発されたSwan-Ganzのカテーテルを試用する機会を得,その有用性をみとめたので,これについて簡単に紹介する。
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