Japanese
English
Bedside Teaching
心嚢液貯留を伴う悪性腫瘍の心転移
Secondary Cardiac Tumors with Pericardial Effusion
中山 龍
1
Ryu Nakayama
1
1国立がんセンター内科
1Department of Internal Medicine, National Cancer Center Hospital
pp.259-264
発行日 1971年3月15日
Published Date 1971/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404202248
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はじめに
悪性腫瘍の心転移の頻度が近年増加傾向にあることは関係論文にみられるところであるが1),この傾向は悪性腫瘍に対する治療の進歩と若干関係があるようである。治療の進歩に伴って患者のlife spanが延長すると心転移が増加する。従ってこの心転移を適切に処置することができれば,患者のlife spanはさらに一層延長させることができると考えられる。
悪性腫瘍(癌)の心転移経路はDeLoach2)によると血行性20%,血行性とリンパ行性20%,リンパ行性21%,直接浸潤39%となっている。血流の原動力である心臓への血行性転移が意外に少なく,リンパ行性,直接浸潤が意外に多いこと,さらに後者の経路による転移では孤立的でなく連続的に腫瘍細胞がひろがり,心機能面にも強い影響を及ぼすことに注目しなければならない,従って患者のlife spanをのばすためには腫瘍のリンパ行性,直接浸潤による転移を如何に防ぐかということにかかっている。
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