Japanese
English
装置と方法
痰のViscosity
Viscosity of Sputum
長岡 滋
1
Shigeru Nagaoka
1
1都立広尾病院第三内科
13rd Department of Internal Medicine, Hiroo Hospital
pp.771-775
発行日 1968年9月15日
Published Date 1968/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404201936
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
はじめに
"痰がねばっこくて出しにくい"という愁訴は,診療上しばしば耳にする言葉であり,その対策への考慮は,当然,呼吸器臨床上の大きな問題であるが,痰のねばっこさを客観的に把握しようとするこころみは,現在までに意外に僅少である。
痰がきわめて不純な物質であり,その基幹をなす気道内分泌物の性状を,そのまま反映しうるものでないこと,および,痰のレオロジー的特性が,簡易な粘度計の使用を拒否することなどが,痰の粘稠度測定を,臨床の領域から遠のけている原因であると思われる。しかし,気道の病態生理に関する新たな観点がひらけ,酵素などの薬剤が出現した現在,痰の粘稠度測定の方法について論じることは,あながちペダンティックなことではないであろう。
以下,先人の労に対する文献的考察と,若干の自験をもとにして,論述をこころみることにする。
Copyright © 1968, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.