増刊号特集 泌尿器科処方のすべて─すぐに使える実践ガイド
11 併存疾患
呼吸器系
咳・痰
永武 毅
1
1桜みちクリニック
pp.312-314
発行日 2016年4月5日
Published Date 2016/4/5
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413205669
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疾患の概要
咳や痰は下気道の炎症を表す症状であり,痰を伴う咳と痰を伴わない咳に分けられることが多い.痰を伴う咳の割合が多いが,痰を伴わない場合もあるのでよく病歴を聴取することが必要である.単なる急性の炎症か,慢性の炎症の急性増悪かで該当する診断名が決まる.そして何より重要なのが,合併する症状によって用いる薬物の種類が異なることである.そのため,丁寧な診察もまた必要になる.また,呼吸困難や喘鳴を伴うかどうかで,気管支喘息か咳喘息かの診断および治療薬をどう併用するかが決まる.膿性鼻汁や膿性痰が存在する場合は,細菌感染症が強く疑われるので,抗菌薬が使われることが多い.胸痛は肋間神経痛のこともあるが,肺炎などの存在が疑わしい場合は胸部X線の撮影を躊躇してはならない.いずれにしろ,咳や痰がみられる疾患は多いので,的確な診断とともに,上手に合併症も治療することが求められる.
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