巻頭言
人工弁置換手術の遠隔成績について
浅野 献一
1
1新潟大学医学部第二外科
pp.635
発行日 1968年8月15日
Published Date 1968/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404201923
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人工弁置換手術が本邦で開始されてからすでに数年の歳月を経過した。米国では諸種の検索を含めた遠隔成績が論ぜられ,一方当分の間Starr-Edwardsボール弁に代表される純機能的な人工弁が弁置換手術の主体であろうと想像されていたところ,最近では大動脈弁置換については保存同種あるいは異種大動脈弁による方法が弁置換の一手段として確立され,すでに術後2〜3年の追求成績すら報告されている現状である。
省みて本邦では弁置換後諸種検索,遠隔成績はもとより手術直接成績すらその報告はきわめて少ないのが現状である。これは各種の人工弁あるいは新たに開発される人工弁を比較したり,人工弁と同種,異種弁を比較する上に甚だ立ち遅れたことである。
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