Japanese
English
綜説
肺のリンパ流—病理学の面から
The Lymphatics of the Lung: from the Standpoint of Pathology
三方 淳男
1
Atsuo Mikata
1
1慶応義塾大学医学部病理
1Department of Pathology, School of Medicine, Keio University
pp.555-557
発行日 1967年7月15日
Published Date 1967/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404201789
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肺リンパ流の研究は,当然のことながら,まず解剖学的な記載に始まっている。1653年に,Rudbeckがイヌの肺肋膜にリンパ管を見出したのが1),この方面の最初の記述とされているが,その後,Miller1), Kampmeier2),Rouviere3), Hayek4),長石5),木原6)らの多くの人達によって,詳細な研究が発表された。
1920年代には,肺結核の進展の解析のために,1940年代以後は肺癌転移の問題に関して,肺リンパ流の活発な研究が行なわれている。同じころから,肺水腫の発生についても,リンパ管系の役割りが注目をあつめた。今後は塵肺症との関連でとりあげられる可能性もあろう。このように,肺リンパ流研究の跡をたどると,それは肺疾患研究の側面史をなしているといえる。
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