特集 呼吸機能の正常値
小児の換気能力
石田 尚之
1
1国立小児病院
pp.746-747
発行日 1966年9月15日
Published Date 1966/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404201645
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換気機能の測定には,被験者の協力が絶対的な条件となるので,肺活量を測定するよりさらに困難になってくる。
分時最大換気量についても,幼児に測定した報告はなく,無理に行なっても不正確で再現性にも乏しいので,われわれは患者の検査に対する協力,理解などの程度からくる誤差を除くため,スピロメーター内のソーダライムをとり去り,スピロメーター内の一定量の空気をくり返し呼吸させることによって,吸気酸素濃度を下げ,炭酸ガス濃度を上げて促迫呼吸をおこさせて,その促迫呼吸をもって,最大換気量の代用とすることを試み,イヤーピースオキシメーターにより連続測定した動脈血中酸素飽和度が,80%前後に低下したさいの分時換気量が,最大換気量にほぼ等しくなることを年長児によって見出し,これを機能約分時最大換気量(FMBC)と名づけた。図1は2年4月より8年までの幼児,および一部学童につき求めたFMBCと身長との相関であるが,この値とFerrisらが6才以上の小児について求めたMBCの値とをむすびつけると図2のごとくになる。
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