Japanese
English
文献抄録
鬱血性心不全とmalabsorption—Berkowitz, D.;Croll, M. N.&Likoff, W. : Am. J Cardiol. 11(1): 43〜47, Jan. 1963.
Malabsorption as a complication of congestive heart failure.
pp.259
発行日 1964年4月15日
Published Date 1964/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404201309
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
鬱血性心不全患者では体重が減少するが,その有力な因子は腸管におけるmalabsorptionであろう。Hokkila(1960),Jones(1961)はすでにI131 trioleinを用いて本症における脂肪のmalabsorptionを報告している。さて著者らは右心不全,末梢浮腫のある25例(リウマチ性10,冠動脈硬化性8,本態性高血圧7)について,I131—triolein (25μc)を落花生油にうかべ1cc/kgをあたえ,血液比放射能,および48時間糞便内の比放射能をしらべた。正常人25例の血液radioactivity平均11.2%,本症25例平均6.7%で,有意に低い。48時間の糞便内radio—activity平均は正常人3.2%,本症10.7%で,これは明かに高い。(P=<0.01)。糞に失われる量が大で,血中に低いのは,鬱血性心不全の程度に応ずるようである。重症時でmalabsorptionも重症である。さらにI131— oleic acidを用いて5例で再吟味するに,I131—trioleinと全く同様の結果がえられた。chlorothi—azideで利尿をつけ,lipaseで脂肪消化をたすけると,malabsorptionの改善がみられた例がある。また回腸生検でその組織像をみると,本症におけるmalabsorptionでは,粘膜の鬱血・浮腫がみられる。
Copyright © 1964, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.