Japanese
English
方法と装置
高域濾波器型特性を有する心音計について
Phonocardiograph employing high-pass frequency characteristic
山本 田力也
1
,
太田 怜
1
,
三科 大和
1
,
佐伯 博也
1
,
町井 潔
1
Takaya Yamamoto
1
1東大医学部田坂内科
1TASAKA Clinic, Tokyo University Medical school
pp.234-236
発行日 1958年3月15日
Published Date 1958/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404200605
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I.まえがき
従来,心音図を記録する場合には,2種の録音特性が使用されていた。即ち,低音部の減衰の度合の小さいstethoscopicのものと減衰の度合が大で聴覚に類似した特性を有するlogarythmicのものとである。それにより,前者では低周波のものを,後者では高周波のものを録音するのがならわしであつた。併しながら,これらの欠点として,stethoscopicのものでは僧帽弁狭窄の拡張期雑音が明瞭に記録出来ず,大動脈閉鎖不全の高調の拡張期雑音はlogarythmicのものでも記録出来ない場合があつて,最近では,更にこの両者の中間の特性,或いはlogarythmicより低音の減衰の強い特性のものを用いる等,多数の特性曲線のものを併用する傾向が見られている。併し,この様に多数のものを併用することは心音記録の際,煩雑である上に心音図判読の際,心音や心雑音の形状が録音特性によつて変化する為に複雑性を増すだけで余り診断上のプラスにならない様に思われる。以上の点を考慮して,われわれはなるべく少ない種類の録音特性を使用して広い帯域の音を録音する事を目的として次の様な心音計を試作した。
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