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はじめに
“Physiotherapy”は英国の理学療法協会が発行している歴史ある雑誌である.例年,理学療法ジャーナルの9月ないし10月号に前年のレビューが掲載されている.本年も2000年86巻の内容を概観してみる.
昨年1999年85巻をまとめられた高橋哲也氏と同様に,“Peer-reviewed papers”を日本理学療法士協会の7つの専門領域部会に照らして分類してみた(表).昨年に比べて理学療法基礎系と教育・管理系理学療法の論文数が多いが,それはどこに分類するのが妥当であるかを判断しかねるものを無理やり基礎系と教育・管理系に振り分けたためである.日本の理学療法に関連した雑誌に比べると盛り込まれる内容は,はるかに広範な題材にまで及んでいる.
通読して目を引いたことは,第13回WCPT学会(横浜)で発表された内容が論文にされていたことである.5月号には100名の健常者によってなされたエキセントリックステップテスト(台上から床へ踏み出す動作時の台に残っている側の膝関節)の動作分析(Selfe J:Motion analysis of an eccentric step test performed by 100 healthy subjects,(5):241-247)が掲載されていた.12月号にはシンポジウム2:「痛みへの挑戦」を担当された座長(Haker E)が巻頭言を執筆し,そのうち3名のシンポジストが論文“慢性疼痛管理中の活動性の増加と機能改善(Harding V,et al: Increasing activity and improving function in chronic pain management,(12):619-630),理学療法における疼痛と偽薬:善意のうそ?(Simmonds MJ:Pain and the placebo in physiotherapy:A benevolent lie ? (12):631-637),疼痛を緩和する方法としてのマッサージ(Lund I:Massage as a pain relieving method,(12):638-639)を載せている.なお,このシンポジウムの要約は理学療法学27(4):117-119に報告されている.
また86巻に盛り込まれた全ての内容のインデックスは,12月号の雑誌の中央部に別色刷りになっているのでそちらを参照していただきたい.
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