連載 単純X線写真 読影達人への第一歩・第8回
大動脈弓の石灰化
中尾 周平
1
,
窪薗 琢郎
2
Shuhei NAKAO
1
,
Takuro KUBOZONO
2
1鹿児島大学病院リハビリテーション部
2鹿児島大学大学院医歯学総合研究科心臓血管・高血圧内科学
pp.1271-1275
発行日 2023年11月15日
Published Date 2023/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1551203234
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症例情報
●患者情報:80歳台後半,男性,要介護認定なし.喫煙歴あり(20本/日×35年),現在は禁煙.機会飲酒あり.
●現病歴:X−7年より心臓超音波(以下,心エコー)図検査にて中等度大動脈弁狭窄症を認め,半年ごとのフォローを受けていた.X−3年より労作時呼吸困難感を自覚し,重症大動脈弁狭窄症(severe AS)に進行していたため,X年に経カテーテル的大動脈弁留置術(TAVI)目的に入院となった.
●身体所見:身長166.4cm,体重69.9kg,Body Mass Index(BMI)25.4kg/m2,血圧132/89mmHg,心拍数80回/分台(心房細動あり),酸素飽和度(SpO2)98%(室内気),体温36.0℃,呼吸音 清,副雑音なし.末梢冷感なし,末梢浮腫なし.心音 第2肋間胸骨右縁に頸部に放散するLevine Ⅲ/Ⅳの収縮期駆出性雑音.
●既往歴:心房細動,高血圧,2型糖尿病,脂質異常症,慢性腎不全.
●内服薬:アゾセミド,アトルバスタチン.
●血液生化学検査:白血球(WBC)5,570/μL,ヘモグロビン(Hb)12.6g/dL,推算糸球体濾過量(eGFR)41.8mL/分/1.73m2,C-reactive protein(CRP)0.19mg/dL,アルブミン(Alb)3.2g/dL,脳性ナトリウム利尿ペプチド(BNP)557.2pg/mL.
●心エコー図検査:左室駆出率43.4%,左房径52.0mm,大動脈弁口面積0.63m2,平均圧較差55.1mmHg,大動脈弁最大血流速度4.67m/秒.
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