巻頭言
麻酔と「呼吸と循環」
山村 秀夫
1
1東大麻酔学教室
pp.155
発行日 1960年3月15日
Published Date 1960/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404200865
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私は今回はからずも「呼吸と循環」の編集員の一人に加えていただいたが,考えてみると麻酔と呼吸と循環とは切つても切れないものである。極端にいえば麻酔とは呼吸と循環を専門とする医学であり,恐らく麻酔ほどこの2つに大きなウエイトをおいているものは他にないであろう。
例えば麻酔中に患者の呼吸によく注意することはアノキシアや炭酸ガス蓄積を防ぐ上に必要なばかりでなく,麻酔の深度を知る上にも大切なものである。更に調節呼吸を行なうということになると,これは麻酔医の方で自分のすきのように患者の呼吸を行なうということになるので,これが上手に行なわれるかどうかは患者にとつては大変な問題である。
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