Japanese
English
綜説
上空で起る生体障害について
The human disturbances at altitude
大島 正光
1
M. Oshima
1
1航空医学実験隊
1The Aero Medical Experimental Group, JASDF
pp.1068-1072
発行日 1959年12月15日
Published Date 1959/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404200837
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低圧の生体におよぼす影響については航空医学の主要課題として長く研究の対象としてあつかわれて来た。与圧室,酸素吸入装置など,低圧に対する対策として取りあげられてから,低圧と生体との関係は,その様相あるいは問題点が時代と共に変つて来ていることは認めなければならない。かつて航空医学の本道にあつた低圧問題は現在は低圧に対する種々の人間工学上の設備装置などが故障を起した場合に問題となるものであるように,その重要性が低下したかに見えるが,このような事故時の対策は,それが緊急を要する問題であるが故に,またそれに対する知識がなくてはほどこすべき処置も正しくあり得ないという点で忘れることは出来ない。その意味でここには先人の文献をもとに,上空で起る種々の生体障害について総説的に述べて見たい。上空において生ずる障害としては次のようなものが主なものとしてあげられる。即ち(1)低酸素(Hypoxia)によつて生ずるHypoxidosis(低酸素症)(2)過呼吸(Heperventilation)(3)減圧症(Dysbarism)(4)神経循環性虚脱(neurocirculatory colla—pse)などである。この小論では最後のものについて述べることとする。
高度をとつた場合における気圧の変化については第1表のようである。
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