講座
妊婦に起る異常出血
九嶋 勝司
1
1福島醫大
pp.17-19
発行日 1952年2月1日
Published Date 1952/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611200032
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異常出血を伴う妊娠は異常妊娠であるから,之を直ちに醫師に廻せばそれで助産婦の責任は果された譯である。然し,患者の豫後を良くしようと思うならば「異常妊娠即醫師え」と言うことを,器械的に覺えている丈では不充分である。大略の診斷は助産婦が之をつけ,それぞれ適切な處理を行うようにならなければ,良き助産婦ではあり得ない。そこで,妊娠時出血に對する助産婦の心得を述べて見よう。出血を訴える患者に遭したら,第一に考えることは妊娠の時期である。
妊娠前半期だつたら,その出血原因は流産,胞状奇胎,子宮外妊娠の中絶又は子宮癌か子宮膣部ビラン等婦人科疾患の合併の何れかである。この何れであるかは大體次のことから見當をつける。
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