Japanese
English
原著
超低体温における心電図の変化—実験的研究
Electrocardiographic changes by ultrahypothermy.
佐竹 弘
1
1名古屋大学大学院医学研究科外科系外科学専攻
pp.1033-1053
発行日 1959年11月15日
Published Date 1959/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404200834
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I.緒言
今日の直視下心臓内手術では,低体温法とともに人工心肺が多く用いられており,その発達は目覚しいものがある。然し人工心肺装置は高価でその操作も繁雑であり,又体外循環に基づく種々の弊害も未だ完全には解決されてはいない。
低体温法では血流遮断時間に制限があり,複雑な心内操作をするには時間が不足し,又心室細動が起り易い等の欠点を有する反面,極めて安価で簡便で,体外循環に比べ生体に対する影響も少ない。更に手術時の出血量の減少,Stressに対する生体の過剰防衛反応を抑制すると言う利点を有している。それ故短時間の血流遮断ですむ場合は,人工心肺よりすぐれている点も少なくない。榊原は循環量が少くてすむという利点を活用し,人工心肺と低体温法を合併する方法を用い多くの臨床例を手がけ,非常な好成績をあげている。
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