巻頭言
心音の聴診と医学教育
日野原 重明
1
1聖ルカ国際病院内科
pp.591
発行日 1958年8月15日
Published Date 1958/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404200656
- 有料閲覧
- 文献概要
医学はScienceであり,又Artであるといわれている。Artとしての医学とはどういうものであろうか。これには,いろいろのことが含まれるだろうが,医学における耳の使い方は,正しく診断するために必要なArt (術)の一つである。
一般の人は,医者といえばすぐ聴診器を聯想し,又医学生の中には解剖の実習が始まつたばかりなのに,早くも聴診器を買求めるものが少くない程に,医者と聴診器はつきものである。それ程なのに,果して医者は聴診器をよく使いこなしているだろうが。又医学生は聴診器を使う術(すべ)を科学的に指導されているだろうか。
Copyright © 1958, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.