Japanese
English
綜説
心臓特殊筋細胞の電気的活動—Pacemaker potentialと房室結節の活動電位
Electrical Activity of the Specific Muscle Fibers of the Heart
松田 幸次郎
1
,
星 猛
1
Kojiro Matsuda
1
,
Takeshi Hoshi
1
1東京大学医学部生理学教室
1Department of Physiology, School of Medicine, University of Tokyo.
pp.444-457
発行日 1958年6月15日
Published Date 1958/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404200637
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まえがき
心臓の特殊筋系と呼ばれるものは,洞結節,田原氏結節,His氏束,左右の索枝とその分枝並びにPurkinje線維等で,心房及び心室の作業筋(個有筋)に対立せしめられた名称である。特殊と呼ぶ所似はこれらを構成する線維は心房,心室の個有筋と比べて組織学的にも,機能的にも特徴を持つているからである(Lewis 1925, Mönckeberg 1926, Benninghoff 1930, Scherf and Boyd 1952)。
特殊筋系の機能は総括して(1)自働興奮性と(2)洞房乃至は房室興奮伝導となすことができる。それに応じて特殊筋系細胞の機能的特性が認められる。以下主として哺乳動物に於けるその機能的特性を電気生理学的な面から概観して見度い。但し余白の事情で特殊筋細胞の電気的活動のみを述べて,その電気興奮性(電気刺激の閾値,形質膜の電気的特性等)については割愛する。
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