Japanese
English
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
Ⅰ.序 論
生体内における水分代謝の調節機構としては,先ず全身的因子として体内水分量並びに電解質の調節に主役を演ずる腎臓があるが,之と共に直接血管内外の細胞外液の交流を司る組織因子として毛細管圧,血漿膠滲圧,組織圧並びに組織間液の膠滲圧が考えられ,この機構に関しては,古くStarling1)の記載以来幾多の報告がなされている。即ち毛細管内圧と,これに対抗する組織圧の差が所謂有効体液静力学的圧(effective hydro—static pressure)を形成し,一方血漿膠滲圧と組織間液膠滲圧の差が有効滲透圧(effective osmo—tic pressure)を作り,両者の毛細管動脈脚及び静脈脚における勾配が逆になることにより,エネルギー消費なしに細胞外液の交流が生ずるのである。勿論このことは一応末梢血管に関しては妥当性を有するが,毛細血管の透過性は必ずしも同一ではなく部位によつては可成変化し,又肝臓のSinusoid等では血漿蛋白も完全に透過し,所謂有効滲透圧は零と考えられている。又淋巴管を介しての体液の交流も当然考慮せねばならない。従つて内科諸疾患時に見られる浮腫の成立病理究明に際しても,上記諸因子の態度はもとより,更に種々なる要因につき検討せねばならない。
Plasma oncotic pressure were studied chnically from the viewpoint of edema pathogenesis.
The conclusions were as follows:1) Clinical studies of 186 cases suffering from diseases producing edema (such as heart disease, hypertension, renal disease, liver disease, anemia, carcinoma etc.) have been carried out.
Copyright © 1957, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.