Japanese
English
文献抄録
正常血圧者及び種々抗高血圧剤使用前と使用中の本態性高血圧患者の直接動脈穿刺による寒冷刺激に対する血圧反応の研究
Direct Arterial Studyof the Blood Pressure Response to Cold of Normotensive Subjects and Patients with Essential Hypertension before and during Treatment with Various Antihypertensive Drugs
沖野
1
1慶大内科
pp.578
発行日 1956年7月15日
Published Date 1956/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404200396
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
生体の血圧は1日中全く同じではなく,種々の刺戟により変化するが同一刺戟によつても正常血圧者より高血圧者の方が変動が多い。HinesとBrownが寒冷圧試験で脉管系の寒冷反応を研究し,次の3群に分類した。1群は正常血圧者で寒冷試験により収縮期圧上昇20mmHg,拡張期圧上昇15mmHg,以内(以下20/15と略記す)で正常反応者とした。2群は正常血圧者中寒冷試験で平均31.2/27.5を示し正常過敏反応者と呼び,これは本態性高血圧前駆期にあるとした。3群は本態性高血圧者で平均46.6/30.9である。筆者等は左手を4〜6℃の冷水に15分毎に1分間あて3回つけ,対側撓骨動脈圧を脉窃刺により電気血圧計で測定した。この3回の結果に統計上有意の差を認めない。対称群65例では平均22.7/15.6,高血圧群は平均37.20/24.78程度で,更に対称群中最高拡張期圧85mmHg,以下の36例の平均は17.2/11.1で確実な正常反応者,85mmHgを超す19例は,平均31.4/21.7で正常過敏反応者とした。残り10例は最高拡張期圧が85mmHgに達せずに平均27.0/20.2を示すが,これらは安静時拡張期圧が平均77.4mm Hgという低値のためと思われる。
Copyright © 1956, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.