Japanese
English
症例
小児発作性心臟頻搏症の1例
A case of Parxysmal tachycardia of child.
太田 秀穗
1
,
原 和雄
1
Hideo OHTA
1
,
Kazuo HARA
1
1日本医科大学小児科教室
1Nippon Medical School
pp.785-789
発行日 1955年12月15日
Published Date 1955/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404200314
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1.緒 言
私共は最近,成人に比し小児には比較的稀な発作性心臓頻搏症の1例を経験したのでその経過の概略を報告する。本疾患は1889年Bouveretが初めて,tachycardie essential Paro-xystiqueとして報告し,更にHoffmannが詳細に記述した。即ち之はBouveret-Hoffmann型又は本態的発作性心臓頻搏症と呼ばれるものでこれは外見上何等の原因なく発作しその発作は瞬間的に始まり瞬間的に終る。発作の頻度は様々で一生一回で終る事もあり毎日頻繁に起る事もある。持続時間は数分数時間から数週に及ぶものがある。此の外に外因型(肉体過労,生活変化,興奮等が発作の誘因として明かなもの)とGallavardin型又は連発型(期外收縮性心臓頻搏症ともいわれ,期外收縮が平時から存在しこれが発作時には連続して頻数となる。この場合の発作は持続時間が短く各発作は期外收縮が8〜20連続して起るに過ぎない)と,主として発作出現のし方によつて三通り分類されている。又刺戟発生の部位から上室性(心戻性,戻室性)と心室性に分け,独逸学派では,心戻粗動及び細動を本症より分離して考えている様であるが,Co—mpbellの統計によれば,上室性頻搏60%,心房細動30%,心房粗動6%心室性頻搏4%であるという。
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