原著 最近における寄生蟲の諸問題・1
學術研究會議傳染性疾患研究特別委員會寄生蟲科會報告
Cyclohexylchlorresorcinの臨牀藥理學的研究
山崎 英正
1
,
足利 三明
1
,
久米 政夫
1
,
矢野 豐
2
,
久池 井巖
2
,
三宅 健二
2
,
吉原 重彌
2
1岡山醫大藥理學教室
2岡山醫大小兒科教室
pp.329-332
発行日 1949年4月25日
Published Date 1949/4/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401200452
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山崎,足利の研究によるとCylclohexylresorcinalにmono-Chlorを導入する(京大藥學科富田教授,上尾助教授)と蛔蟲驅除效力は飛躍的に増強し,毒性竝に局所刺戟性はHexylresorcinolより遙かに弱い物質が得られることが知られた。そしてこの化合物Cyclohexylchlororesorcinolの生産はHexylresorcinolより遙かに容易である(上尾助教授)。
今囘吾々は收容所にある浮浪者成人96名に就て特に藥用量及び食事との關係を考慮しつゝ本藥物の驅蛔蟲效果と副作用に關する檢索を行い,併せて驅除蛔蟲の状態を調べた。被檢者を8群に分け何れも服藥當日朝食を抜いて早朝第1〜3群に夫々0.5,0.8及び1.0g,第4〜8群何れも1.0g,但し第4,5群は粥100gと鷄卵1個を服藥の30分前又は後に,第6〜8群には服藥30分前に夫々粥,葛100g及び食パン50gを與え,何れも以後4時間食物を禁じた。藥物は何れも人工胃液中で30分内に崩解することを確めたゼラチンカプセル劑として與え服藥24又は48時間後硫苦20gを使用した。實驗成績の大要は次のようである。
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