Japanese
English
症例
極度の漏斗部性肺動脈狹窄と大動脈極右位症を伴えるFallot氏四徴症類似型の1例
The identical type of Tetralogy of Fallot with extreme Infundibular Pulmonal Stenosis a. Dextroposition of the Aorta
小野 一男
1
,
久慈 宥一
1
,
佐藤 昇一
1
,
杉江 忠之助
1
Ono Itio
1
,
Kuji Koiti
1
,
Sato Shoiti
1
,
Sugie Tadanosuke
1
1岩手醫科大學内科教室
1Depart. of Ⅰnt. Med. of Iwate Med. College
pp.125-127
発行日 1954年3月15日
Published Date 1954/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404200146
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はしがき
近年心カテーテル法の普及發展によつて心臟各腔及び大血管の位置や,之等をめぐる血液動態のあり方が相當明瞭に把握出來るようになり,先天性心疾患の診斷に有力な武器として登場,廣く實施されるに至つて居る。一方之に伴つて心臟外科も飛躍的に發達し,今日先天性心疾患の或る種のものは外科的治療が可能となつて來て居る。所謂青色症の中で最も多いFallot氏四徴症もその一つであつて,周知の如くValvulotomy,BlalockやPotts氏手術等が行なわれ,極めて重症なものを除けば良好な成績が示されて居る。
しかし反面,本症と診斷されて開胸手術をした處,手術無効な他疾患であつた事が判明した報告もあり,又開胸しても單に外觀からは詳細な内部構造が判明しない場合も少くなく,適應外の疾患の際は豫後不良なる事が次第に明らかとなつて來て居る事とて,術前の更らに正確な鑑別診斷法が強く要望されて居る。然し乍ら,これは一面では先天性心疾患は時には極めて複雑で,その詳しい内部構造を知る事が甚だ困難である事を物語つて居るものともいえよう。
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