小児心電図講座・6
肺動脈弁狹窄症
三森 重和
1
1東女医大心研
pp.1600-1602
発行日 1970年10月10日
Published Date 1970/10/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402203379
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症例1
12歳 男
臨床所見生後7ヵ月で心雑音を指摘された.3歳時,心研受診.その後,外来にて経過観察.11歳時冬,軽度の胸痛を訴えたほか症状はない.心雑音は肺動脈弁口部で猫喘を伴う強い駆出性雑音を聴取,左頸部および背部によく放散する.肺動脈第2音は単一,第4音がある.心音図では収縮期雑音の最強点が収縮後期にある,胸部レントゲンでは心胸郭比55.2%,右房および右室の軽度拡大,肺動脈弓の中等度突出をみる.肺血管陰影はやや減少.心臓カテーテルで右室圧230/0mmHg,肺動脈圧20/10mmHg,心内短絡はない.心臓血管造影で弁口部円蓋形成,著しい弁性狭窄を示す.手術は弁切開術により口径5mmを15mm以上に拡大した.
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