Japanese
English
症例
大動脈極右位症—Fallot氏四徴症と誤られた先天性心臓疾患の1例
Extreme Dextroposition of the AORTA
杉江 三郞
1
,
三枝 正裕
1
,
平手 資郞
1
saburo SUGIE
1
,
masahiro SAIGUSA
1
,
shiro HIRATE
1
1東京大學醫學部木本外科教室
1Department of Surgery University of Tokyo Medical School
pp.125-128
発行日 1953年5月15日
Published Date 1953/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404200091
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チアノーゼを有する先天性心疾患,いわゆる青色症(Morbus Caeruleus)中最も多いものはFallot氏四徴症で,之に對しては周知の如く肺動脈辨切開術,Blalock氏手術(肺動脈,鎖骨下動脈吻合) Pot's氏手術(肺動脈,大動脈吻合)などが行われて極めて良好な成績が得られている。
その他,純型肺動脈狭窄,偽型動脈總幹,三尖辨閉鎖大血管の轉位,などにもFallot氏四徴症に準ずる,手術を行つて,良い結果が得られるが,又一方青色症中にはこれらの手術が不能又は無效である疾患もあり,しかも心臟手術の場合開胸して見ても外觀だけからでは内部の詳しい構造を知ることは因難で,適應を誤つた場合の豫後は絶對に悪く診査開胸に終つた場合も,多くは豫後不良であるので,術前の諸検査によつて確實な鑑別診斷を下し手術方法を決定することは最も重要であり,且つ苦心を要するところである。
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