Japanese
English
巻頭言
本邦人生理解剖恒數表の必要
On the necessi y of the table of p ysiological and anatomical constants of Japanese
簑島 高
1
1北海道大學
pp.260
発行日 1953年11月15日
Published Date 1953/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404200117
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凡そ科學的な研究をする上に於ては之が理論的な考察をする場合に理論式を與える根本的な基本式を頼りとすることが絶對に必要であることは少し之を取扱つた經驗ある人はよく理解されると思う。この意味で既に古典的と云われるマツクスウエルの電磁氣學,リーマン・ウエバアの微分及び積分方程式の兩單行本は今日でも理論生物學の雑誌上に引用され,活用されて居る。又,種々の理論式から數値を求める際には例えば生物統計學ではピアーソンの數値表,數理物理學ではヤーンケ・エムデの表は非常に役立つて居ることも見逃せないことである。
生理學及び醫學方面では大多數は實驗的な取扱いが重視されて居るが然し理論的な式の提唱も可なり行われて居る。斯樣な場合に實驗者が得た計數を正常なものと比較する必要が屡々起る。又理論式に正常な數値を入れて計算し,之を實驗値と對比する場合もある。更に又著書なり,雑誌なりに生理又は解剖恒數を掲げる必要に迫られることも再三である。又同じ學問に永くたづさわつて居ると何かとこの方面の計數に就いて教科書なり,雑誌に掲載された數値がどれが正しいかと問われることも屡々である。之は教科書又は雑誌に引用する著者の原本が夫々違つて居るために起る疑問で,その原本に出されたと同じ計數が掲げられて居るためと思われる。
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